フリーランス・副業支援

退職後からフリーランスになるまでの収支を徹底シミュレーション|生活費・税金・保険のリアル

退職後のお金は想像以上に減る

会社を辞めた瞬間、生活のリズムも収入の流れも一変します。
「しばらく失業保険があるから大丈夫」「すぐにフリーランスとして稼げるだろう」——そう思っていても、実際に退職後の収支を細かく計算したことがある人は意外と少ないものです。

家賃や生活費、税金、社会保険料……何もしなくても毎月10万円以上が出ていく現実に、後から気づいて慌てる人はとても多いです。

Finna後輩
Finna後輩:
私も最初は「貯金もあるし大丈夫」と思っていたんですが、毎月じわじわ減る残高を見て焦りました…。

「退職したらすぐ収入がゼロになるわけではない」と考える方もいますが、失業保険の支給までにタイムラグがあり、開業届を出してすぐに収益が発生する人は一握りです。

この章では、退職後からフリーランス準備期間にかけて、実際にどれくらいお金が減っていくのかをモデルケースで確認します。現実を知ることが、正しい備えの第一歩です。

👉 退職後の社会保険・税金ガイド|負担を減らすために知っておきたいこと

退職後の半年で貯金はいくら減る?モデルケースでシミュレーション

ここでは、2つのモデルケースで退職後6か月間の収支推移を試算します。
単身世帯と家族世帯では、負担額や減り方に大きな差が出ることがわかります。

✅ モデルケース① 単身世帯(東京都在住・30歳)

【想定条件】

  • 家賃:90,000円
  • 生活費:55,000円
  • 国民健康保険:退職後15,000円→開業後25,000円
  • 国民年金:17,510円
  • 住民税:10,000円
  • 失業保険:150,000円×3か月
  • 貯金:100万円スタート

項目 退職月 2か月目 3か月目 4か月目 5か月目 6か月目
収入 前職給与
300,000円
失業保険
150,000円
失業保険
150,000円
失業保険
150,000円
開業月
0円
開業月
0円
支出 187,510円 187,510円 187,510円 187,510円 197,510円 197,510円
収支差額 +112,490円 ▲37,510円 ▲37,510円 ▲37,510円 ▲197,510円 ▲197,510円
累積貯金残高 1,112,490円 1,074,980円 1,037,470円 999,960円 802,450円 604,940円

✅ モデルケース② 妻子持ち世帯(大阪市在住・30歳)

【想定条件】

  • 家賃:156,000円
  • 生活費:100,000円
  • 国民健康保険:退職後25,000円→開業後35,000円
  • 国民年金:17,510円(本人分のみ)
  • 住民税:15,000円
  • 妻パート収入:月10万円
  • 失業保険:150,000円×3か月
  • 貯金:150万円スタート

項目 退職月 2か月目 3か月目 4か月目 5か月目 6か月目
収入 前職給与+妻収入
400,000円
失業保険+妻収入
250,000円
250,000円 250,000円 100,000円 100,000円
支出 318,510円 318,510円 318,510円 318,510円 328,510円 328,510円
収支差額 +81,490円 ▲68,510円 ▲68,510円 ▲68,510円 ▲228,510円 ▲228,510円
累積貯金残高 1,581,490円 1,512,980円 1,444,470円 1,375,960円 1,147,450円 918,940円

※支出は家賃・生活費・国民健康保険・国民年金・住民税を含めた概算です。

Finna後輩
Finna後輩:
家族がいる場合は、半年で貯金が60万円近く減る計算ですね…。退職後は特に支出管理が大事です。

この2つのモデルを見てもわかる通り、退職後の生活費は本当に大きな負担です。制度を使って少しでも支出を減らす工夫が必要です。

退職後のお金は「生活費+税金・保険」で減る

前の章で見たように、毎月の支出は家賃や生活費だけでなく税金や社会保険料が大きな割合を占めます

特に負担が重いのは次の4つです。

  • ✅ 国民健康保険
  • ✅ 国民年金
  • ✅ 住民税
  • ✅ (収入が増えた場合)所得税

例えば、単身世帯のモデルケースでは毎月約5万円以上が税金・保険だけで消えていく計算です。

Finna先輩
Finna先輩:
固定費は思っている以上に重いんです。生活費を切り詰めても、保険料や税金は一定額かかるので要注意です。

「こんなにお金が減るなら、もうフリーランスなんて無理かも…」と感じるかもしれません。

でも実は、退職後の負担を減らす方法や制度はたくさんあります。次章から具体的に一つずつ解説していきます。

👉 国民健康保険料を減らす方法|減免・軽減の仕組みを解説

退職後の負担を減らす3つの方法

退職後、何も対策しなければ毎月の支出は大きく膨らみます。
でも実は、負担を減らすための方法がいくつも用意されています。

ここでは代表的な3つを簡単に紹介します。

✅ 1. 国民健康保険料の減免・軽減制度

前年収入が大幅に減る場合、自治体に申請することで国民健康保険料を減免・軽減できる可能性があります。

退職後すぐに役所で相談すれば、前年の給与収入を考慮した減額手続きを進められます。

Finna先輩
Finna先輩:
「前年の収入が高いから無理かも」と思う方も、申請だけは必ずしてみましょう。意外と減免対象になるケースも多いですよ。

✅ 2. 国民年金の免除・猶予制度

退職後、収入が減ると国民年金保険料の全額免除・一部免除・納付猶予が利用できます。

免除申請は市区町村役場や年金事務所で可能。免除期間も将来の年金額に一定の反映がされるため、未納よりははるかに有利です。

✅ 3. 失業保険・各種給付を最大限活用する

自己都合退職の場合も、基本手当の給付制限は2025年改正で原則1か月に短縮されました。

「すぐに働く意思がある」と申告し、積極的に就職活動をすれば、再就職手当などの追加給付も受けられます。

また、場合によっては職業訓練の受講で受給期間の延長や訓練手当の支給を受けられるため、ハローワークの相談は必須です。

Finna後輩
Finna後輩:
制度を調べるのが面倒でも、活用できるものは全部使ったほうが安心ですよ!

これらを活用するだけで、1年で数十万円単位の支出を減らせるケースも珍しくありません。

「知らないだけで損する」を避けるためにも、まずはどこに相談すればいいか調べることから始めましょう。

👉 退職後の確定申告ガイド|必要な手続きと注意点

👉 フリーランス開業届の提出方法|退職後すぐにやるべき準備

👉 青色申告と節税の基礎知識|個人事業の経費管理

収入別の年間収支シミュレーション

「退職後の収入をどのくらい確保できるか」で、1年間の収支は大きく変わります。

ここでは単身世帯モデル(東京都在住・家賃9万円)で、月収10万円・20万円・30万円の場合を比較します。

【年間収入の計算式】
失業保険150,000円 × 3か月 = 450,000円
+ 月収 × 9か月

ケース 年間収入 年間支出 年間収支差額
月収10万円(シビアケース) 1,350,000円
(450,000円+10万円×9か月)
2,370,120円 ▲1,020,120円
月収20万円 2,250,000円
(450,000円+20万円×9か月)
2,370,120円 ▲120,120円
月収30万円 3,150,000円
(450,000円+30万円×9か月)
2,370,120円 +779,880円

※家賃・生活費・国民健康保険・国民年金・住民税など固定費を含めた概算です。
※実際の負担額は前年収入・自治体・家族構成により変動します。

Finna先輩
Finna先輩:
この表を見ても、退職後にしっかり収入を確保する大切さがわかりますね。制度を活用しながら、準備を整えていきましょう。

このように収入水準が少し変わるだけで、年間で100万円以上の差が生まれます。
「何となく」ではなく、数字で備えを確認することが大切です。

退職後の収入や支出についてよくある質問

Q1. 失業保険はいつからもらえますか?

自己都合退職の場合は、待機期間7日+給付制限2か月(2025年改正で短縮)があります。
つまり退職後2か月経過後に支給が開始されるイメージです。

Q2. フリーランス開業後も失業保険はもらえますか?

原則として開業届を提出すると「就職した」とみなされ、失業保険は支給終了になります。
収入がなくても注意が必要です。

Q3. 国民健康保険や年金は退職後すぐに払わないといけませんか?

支払いの猶予はありませんが、申請により減免・免除を受けられる場合があります。
退職後できるだけ早く市区町村の窓口に相談しましょう。

Q4. 収入がない期間の住民税はどうなりますか?

住民税は前年の所得に基づいて課税されるため、退職翌年度も一定額の負担があります。

Q5. 収入が安定するまでの生活費はどうやって工面すればいいですか?

失業保険や各種給付を最大限活用し、支出を抑えるのが基本です。
足りない場合は、短期アルバイトや一時的な副業収入を確保する方法も検討しましょう。

Finna先輩
Finna先輩:
これ以外にも状況に応じた疑問がたくさん出てくると思います。遠慮なく質問してくださいね。

退職前にできる準備で安心を増やす

退職後の資金計画は、できるだけ早く準備を始めるほど選択肢が増えます。

「何をすればいいかわからない」という方は、まず以下の3つから手をつけてみてください。

✅ 1. 収支を数字で把握する

・家賃や生活費はいくらかかるのか
・退職後に払う保険料や税金はどのくらいか
・失業保険や手当はいつ・いくらもらえるのか

全部をざっくりでもいいので数字にして書き出すだけで、見えない不安が少し減ります。

✅ 2. 制度の申請期限を確認する

失業保険や再就職手当、国民年金免除などは「退職から〇日以内」など期限が決まっています

退職後バタバタしないように、いつ・どこで・何を申請するかを先にリストアップしましょう。

✅ 3. 不安なことは専門家に相談する

お金や手続きの不安をすべて自分だけで調べるのは大変です。

「相談してから考える」でも全く問題ありません。 まずは無料で相談できる窓口や、診断ツールを活用してください。

Finna後輩
Finna後輩:
私も最初は一人で全部調べようとして疲れました…。分からないことは遠慮せず聞いて大丈夫ですよ。

次章では、退職後に利用できる具体的な支援制度やサービスをまとめます。
「何からやるか迷う」方は、まず診断ツールで状況を整理してみてください。

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まとめと次のステップ

退職後の生活費や税金・社会保険料は、思っている以上に大きな負担になります。

でも逆に言えば、制度を活用し、収支を数字で管理するだけで負担を大きく減らすことができます。

「今のうちから準備する人」と「何も考えずに退職する人」では、半年後の貯金残高が何十万円も変わります。

Finna先輩
Finna先輩:
ここまで読んだあなたはもう十分に「準備を始める資格」があります。焦らず、できることから始めてみてくださいね。

「でも結局、私の場合はどうなるんだろう?」 そう思ったら、まずは以下の診断ツールで試算してみてください。

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もっと詳しく相談したい方は、下記からお気軽にお問い合わせください。

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