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再就職手当と定着手当は何が違う?退職後にもらえる2つの給付を比較解説

この記事は 「再就職手当の受給条件と申請方法」 の詳細解説です。

再就職手当と就業促進定着手当とは?基本の仕組み

再就職手当就業促進定着手当は、いずれも退職後に新しい仕事に就いたときに受け取れる給付金です。
どちらも雇用保険の制度ですが、支給のタイミングや金額の性質が異なるのが特徴です。

再就職手当は、失業給付(基本手当)の支給残日数がある状態で早期に再就職した場合に受給できます。
早期に就職した人への経済的支援を目的としています。

一方で就業促進定着手当は、再就職した仕事に1年以上継続して就業した場合に、再就職先の給与水準を補うために支給されます。

Finna後輩
Finna後輩:
「実はこの2つの手当は、早期就職と定着を支援するためにセットで用意されているんですよ!」

退職後に就職が決まったら再就職手当、その後1年以上安定して働いたら定着手当、という流れで段階的に支給を受けられる仕組みになっています。

この章では2つの給付の基本的な考え方を整理しました。
次の章から、それぞれの制度を詳しく見ていきます。

再就職手当の条件・金額・申請の流れ

再就職手当は、失業給付の受給資格がある人が早期に再就職した場合に支給されます。
受給のためには以下の条件をすべて満たす必要があります。

  • 失業給付の支給残日数が1/3以上あること
  • 就職先で1年以上の雇用見込みがあること
  • ハローワークに届け出て就職が決まったこと
  • 自己都合退職の場合は給付制限期間経過後に再就職したこと

支給額は失業給付の残日数分の70%が目安です。
例えば、残日数が100日の場合は基本手当日額×100日×70%が支給されます。

Finna先輩
Finna先輩:
「支給残日数が3分の2以上残っている場合は、80%の支給率になります。」

申請の流れは以下の通りです。

  1. 再就職先に就職証明書を記入してもらう
  2. ハローワークへ必要書類を提出
  3. 審査後、指定口座に支給される

申請期限は就職日の翌日から1カ月以内です。
遅れると受給できなくなるため注意が必要です。

次の章では、就業促進定着手当について解説します。

就業促進定着手当の条件・金額・申請の流れ

就業促進定着手当は、再就職手当を受け取った後、同じ事業所で1年以上継続して就業した場合に支給される給付金です。
これは再就職先で安定して働き続けたことを支援する目的があります。

支給条件は次の通りです。

  • 再就職手当を受給していること
  • 再就職先で1年以上継続して働いていること
  • 再就職後の賃金が離職前より低いこと

支給額は次の計算式で決まります。

離職前賃金月額 - 再就職後賃金月額 × 就職後6カ月分

たとえば、離職前の月収が25万円、再就職後が22万円の場合、差額3万円×6カ月=18万円が支給されます。

Finna後輩
Finna後輩:
「収入が下がった場合に補てんされるので、安心して再就職を続けられますね。」

申請の流れは以下の通りです。

  1. 就職後12カ月経過したら申請書を用意
  2. 賃金証明書を勤務先に記入してもらう
  3. ハローワークへ提出

申請期限は1年経過後から2カ月以内なので、忘れずにスケジュールを確認しましょう。

次の章では、2つの手当の違いを比較表で整理します。

2つの手当の違いを比較表で解説

再就職手当と就業促進定着手当は、支給のタイミングや金額の計算方法が異なります。
ここでは主な違いを表にまとめました。

項目 再就職手当 就業促進定着手当
支給タイミング 再就職後すぐ 再就職後1年経過後
支給要件 支給残日数が1/3以上 賃金が離職前より低い
金額の計算 残日数×基本手当日額×70〜80% 差額×6カ月分
申請期限 再就職後1カ月以内 1年経過後2カ月以内
Finna先輩
Finna先輩:
「2つをセットで活用するには、それぞれの申請期限を必ず確認しておきましょう。」

違いを理解しておくことで、計画的に申請手続きを進められます。

次の章では、モデルケースを使ったシミュレーションを紹介します。

受給シミュレーションとモデルケース

ここでは、再就職手当と就業促進定着手当をどのように受給できるか、具体的なモデルケースで解説します。

モデル① 退職後すぐ再就職し1年以上勤務

・退職後1カ月以内に再就職
・支給残日数100日(基本手当日額6,000円)
👉 再就職手当:6,000円×100日×70%=42万円
・再就職後の賃金が月2万円減少
👉 定着手当:2万円×6カ月=12万円

モデル② 退職後しばらく失業後に再就職

・退職後3カ月で再就職
・支給残日数60日(基本手当日額5,500円)
👉 再就職手当:5,500円×60日×70%=23万1千円
・再就職後の賃金は退職前と同等
👉 定着手当なし

モデル③ 賃金差額がない場合

再就職手当は支給されても、賃金差額がない場合は定着手当は支給されません。
定着手当は「収入が下がった分を補う制度」です。

Finna後輩
Finna後輩:
「モデルケースを参考に、自分の場合はいくら受給できるかシミュレーションしてみてくださいね。」

次の章では、よくある質問をQ&Aで紹介します。

よくあるQ&A

再就職手当・就業促進定着手当について、よくいただく質問をまとめました。

Q1. 2つの手当は併用できますか?

A. はい、併用可能です。
再就職手当を受け取り、その後1年以上勤務して賃金差額があれば定着手当も申請できます。

Q2. 定着手当は必ずもらえますか?

A. 再就職先の賃金が離職前より低い場合のみ支給対象です。
賃金が同額以上の場合は支給されません。

Q3. 申請期限を過ぎたらどうなりますか?

A. 再就職手当も定着手当も期限を過ぎると申請できません
それぞれ就職後1カ月以内、1年経過後2カ月以内に手続きしましょう。

まとめと次のステップ

再就職手当と就業促進定着手当は、退職後の生活を支える大事な給付制度です。
それぞれの条件や支給時期を正しく理解して、計画的に活用しましょう。

ポイントをまとめます。

  • 再就職手当は早期再就職を支援する制度
  • 定着手当は1年以上の勤務と賃金減少を補う制度
  • 申請期限を過ぎると受給できない

自分がどの制度に当てはまるか、ハローワークや専門家に相談するのもおすすめです。

Finna後輩
Finna後輩:
「他の記事でも退職後の給付や制度について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね。」

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