開業届を出すメリットと注意点
✅ 開業届は「やる気の証明書」
フリーランスを始めるとき、開業届は「仕事をする意思を税務署に届け出る」書類です。法律上、提出義務はありますが、罰則はほとんどないため、提出しない人もいます。
しかし、開業届を出すと信用力が増し、青色申告などの税制優遇を受けられる大きなメリットがあります。
✅ 出す・出さないで何が違う?
開業届を提出するかしないかで、以下の違いがあります。
- 青色申告特別控除(最大65万円)を利用できる
- 事業用の銀行口座開設がスムーズになる
- 補助金・助成金の申請がしやすくなる
逆に提出しない場合、白色申告となり、控除や優遇が受けられません。

「提出するだけで控除が増えるんですね!知らないと損してしまいそうです。」
✅ 退職後に出す人が増えています
最近は会社を辞めてすぐにフリーランスとして活動を始める方が増えています。退職後1か月以内に提出すれば、スムーズに事業開始が認められるので安心です。
もし迷っている方は、まず開業届だけでも提出し、準備を進めながら事業計画を整えるのも一つの方法です。
👉 フリーランスの全体の流れはこちらも参考にしてください:
退職後にフリーランスになるなら|開業届と青色申告を一から学ぶ
最短1日で提出するための準備
✅ 事前に準備するものを揃える
開業届をすぐに提出するためには、以下の書類や情報を先に準備しておくことが重要です。
- マイナンバーカードや通知カード
- 本人確認書類(免許証など)
- 印鑑(電子申請の場合は不要)
- 事業開始日(退職日と揃えるのが一般的)
- 事業の概要(簡単な内容でOK)
- 屋号(決めなくても可・自由に設定可能)
屋号はあなたの事業の名前です。決まっていなければ空欄でも問題ありませんが、後から口座開設などで使う場合も多いので、じっくり考えるのもおすすめです。
例えば「〇〇デザイン事務所」「〇〇コンサルティング」など、自分のサービス内容がイメージしやすい名前を付けると、将来の取引先にも分かりやすくなります。
✅ 青色申告の申請も同時に
青色申告承認申請書は開業届と同時に提出できます。これを先延ばしにすると、控除を受けるタイミングが遅れるので注意しましょう。

「屋号を考える時間もワクワクしますよね。後から変更もできますので安心してください。」
✅ 書類は控えを必ず保管
提出後に控えを受け取ります。これは銀行口座開設や補助金申請で必要になるので、きちんと保管しましょう。
✅ 開業届・青色申告承認申請の必要書類
- □ 開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)
- □ 青色申告承認申請書
- □ マイナンバーカード(写し)または通知カード
- □ 本人確認書類(免許証など)
- □ 収入印紙(必要な場合)
次章では、e-Taxを使ったオンライン提出の具体的な手順を解説します。
e-Taxでオンライン提出する方法
✅ e-Taxを利用するメリット
e-Taxは自宅から24時間提出ができ、受付結果もすぐ確認できます。郵送や窓口提出の手間を減らしたい方には最適です。
- 書類を印刷せずに完了
- 提出から控え保管まで一括管理
- 提出完了が早い
✅ 事前準備とログイン
利用するためには以下の準備が必要です。
- マイナンバーカードまたはID・パスワード方式
- パソコン(またはスマホ)
- 電子証明書(マイナンバーカード内蔵)
最初の設定はやや複雑ですが、一度設定すれば次回以降スムーズに利用できます。

「初回だけ設定がちょっと大変なんですね。でも一度やれば大丈夫そうです!」
✅ 提出の流れ
e-Taxの具体的な流れは以下の通りです。
✅ e-Tax提出ステップ
次章では、税務署に紙で提出する流れを詳しく説明します。
税務署へ紙で提出する流れ
✅ 郵送でも窓口でも提出可能
開業届と青色申告承認申請書は、最寄りの税務署に郵送または直接持参して提出できます。窓口ではその場で受付印をもらえるので安心感があります。
郵送する場合は控え用のコピーを同封し、返信用封筒(切手貼付)を必ず入れましょう。
✅ 提出先は「納税地の税務署」
提出先は住民票の住所地を管轄する税務署です。管轄が不明な場合は国税庁のサイトで確認できます。

「控えに受付印をもらうのはとても重要です。手続きの証拠になるので大切に保管してください。」
✅ 提出の流れ
紙提出の流れは以下の通りです。
✅ 紙提出の流れ
次章では、青色申告承認申請書の注意点を詳しく解説します。
青色申告承認申請書の提出も忘れずに
✅ 青色申告で節税メリットを最大化
青色申告を選ぶと、最大65万円の特別控除や赤字の繰越控除など、さまざまな節税メリットを受けられます。開業届と同時提出が基本ですが、後から提出も可能です。
✅ 提出期限に注意
提出期限は開業から2か月以内が原則です。この期限を過ぎると、提出してもその年は白色申告扱いになるため注意しましょう。
たとえば「4月1日開業なら6月1日まで」が目安です。

「期限がけっこう早いんですね…。早めに準備しておかないと。」
✅ 記載内容はシンプルでOK
青色申告承認申請書には「事業の概要」「帳簿の種類」などを記載しますが、詳細に書く必要はありません。税務署は内容を厳しく精査しませんので、概要を正確に書けば十分です。
👉 退職後の税金全般はこちらの記事で詳しく解説しています:
退職後の住民税・所得税を損なく払う方法
次章では、提出後にやるべきことを整理します。
提出後にやるべきこと
✅ 控えの保管を忘れずに
提出後に受け取る受付印のある控えはとても重要です。銀行口座開設や補助金申請、税務調査の際に必要になりますので、大切に保管しましょう。
✅ 事業用口座・クレジットカードを作る
事業とプライベートの資金を分けるために、事業用の銀行口座・クレジットカードを用意しておくと管理が楽になります。
- 入出金を一目で把握できる
- 経費計上がスムーズ
- 信頼性が上がる
✅ インボイス制度の確認
2023年から始まったインボイス制度では、課税事業者になる場合に適格請求書発行事業者の登録が必要です。免税事業者なら登録は不要ですが、取引先との確認が大切です。

「インボイスはすぐに登録しなくても大丈夫ですが、早めに取引先と相談しておくと安心です。」
✅ フリーランスとしての覚悟
ここまで手続きが完了したら、あなたも立派なフリーランスです。フリーランスという言葉はキャッチーで自由な響きがありますが、実際は社長・個人事業主と同じです。
ここから先は、どんな結果も誰のせいでもなくあなた自身の責任。自由と引き換えに全てを背負う覚悟を持って、一歩を踏み出しましょう。
👉 フリーランスの収支計画はこちらも参考にしてください:
退職後1年の資金計画シミュレーション
次章では、よくある質問をまとめて解説します。
よくある質問Q&A
✅ Q1. 開業届を出さないと罰則はありますか?
提出義務はありますが、出さなかったからといって罰金などの罰則は基本的にありません。ただし、青色申告ができず節税の機会を失いますので、出すことを強くおすすめします。
✅ Q2. 屋号は後から変更できますか?
はい、屋号は後から変更しても問題ありません。税務署に「変更届」を提出すれば簡単に変更できます。
✅ Q3. 退職金をもらっていても開業届は出せますか?
問題ありません。退職金の受給と開業届提出は無関係です。むしろ収入が変わるタイミングで早めに提出しておくと手続きがスムーズです。

「疑問や不安は多いですが、一歩ずつ手続きを進めれば大丈夫です。」
次章では、今回の内容をまとめて振り返ります。
まとめ|開業届を出してフリーランスの一歩を踏み出そう
✅ 手続きを完了すれば不安は大きく減る
開業届と青色申告承認申請書の提出は、最初のハードルに感じるかもしれません。でも一つ一つ手続きを済ませることで、フリーランスとしての不安が小さくなり、自由に仕事を進める土台が整います。
✅ 記事を参考にしながら進めてみてください
このページを見返しながら進めれば大丈夫です。もし迷ったときは税務署に相談するのも一つの方法です。
👉 フリーランスの資金計画はこちらも参考にしてください:
退職後1年の資金計画シミュレーション
一歩踏み出せば、それが「あなたの事業」のスタートです。