退職後に必要な手続きを全体把握しよう
退職後は健康保険や年金など、複数の手続きを同時進行で進める必要があります。特に「どの手続きを先に済ませるか」「期限がいつまでか」を把握しないと、保険が切れたり、年金が未加入になったりするリスクがあります。

「退職したら一息つきたい気持ちはすごくわかります。でも手続きは期限が決まっているので、最初に全体スケジュールを確認しておきましょう!」
✅ 健康保険と年金は切り替えが必要
在職中は会社が社会保険の手続きを行ってくれますが、退職するとすべて自分で切り替えが必要です。健康保険は「任意継続」か「国民健康保険」を選び、年金は「厚生年金から国民年金へ切り替える」のが基本です。
✅ 手続きを怠るとどうなる?
手続きをしないまま放置すると、医療費が全額自己負担になったり、将来の年金受給額が減ったりする重大な不利益があります。特に健康保険の未加入期間は、万一病気やケガをした際に多額の医療費負担が生じます。

「特に任意継続は申請期限が短いので要注意。期限を1日でも過ぎると二度と選べません。」
✅ 全体スケジュールを確認しよう
以下に、退職後に必要な手続きをまとめたスケジュール表を用意しました。まずはこれを見ながら自分の手続きを把握しましょう。
手続き内容 | 期限 | 窓口 | 備考 |
---|---|---|---|
健康保険の切り替え (任意継続 or 国民健康保険) |
退職日の翌日から14日以内 | 勤務先 or 市区町村役所 | 任意継続は20日以内 |
国民年金の種別変更 | 退職日の翌日から14日以内 | 市区町村役所 | |
年金保険料の免除・猶予申請 | 随時(早めがおすすめ) | 市区町村役所 | 申請月以降が対象 |
失業保険の手続き(参考) | 退職日の翌日から1年以内 | ハローワーク | 離職票が必要 |
この表を印刷してスケジュール管理するのもおすすめです。特に健康保険の切り替えは、退職直後に優先して手続きを進めておきましょう。
健康保険の選び方|任意継続と国民健康保険の比較
退職後にまず悩むのが、健康保険を「任意継続」にするか「国民健康保険」にするかの選択です。それぞれ保険料の計算方法や加入条件が異なり、将来の負担に大きく影響します。ここでは両者をわかりやすく比較します。

「どちらを選んだほうが得かは、収入や扶養の有無で変わります。早めにシミュレーションしておきましょう!」
✅ 任意継続の特徴と加入条件
任意継続は会社の健康保険を最長2年間引き続き利用できる制度です。退職日の翌日から20日以内に申請が必要で、保険料は現役時代の2倍程度になります。ただし、扶養家族が多い場合や高所得者の場合は割安になるケースもあります。
✅ 国民健康保険の特徴と加入手続き
国民健康保険は住民票のある市区町村に加入します。保険料は前年所得や世帯人数で決まり、減免制度もあります。退職日の翌日から14日以内に加入手続きを行い、保険証を受け取ります。
✅ 保険料はどちらが安い?比較シミュレーション
退職後の保険料を現役時代と比べた表をまとめました。負担額だけでなく保障内容や将来の年金も含めて判断することが大切です。
モデルケース | 現役時(月額) | 退職後 任意継続+国民年金(月額) | 退職後 国保+国民年金(月額) |
---|---|---|---|
標準報酬月額30万円 |
健康保険:約15,000円 厚生年金:約27,000円 合計:約42,000円 |
健康保険:約30,000円 国民年金:17,510円 合計:約47,510円 |
健康保険:約28,000円 国民年金:17,510円 合計:約45,510円 |
標準報酬月額40万円 |
健康保険:約20,000円 厚生年金:約36,000円 合計:約56,000円 |
健康保険:約40,000円 国民年金:17,510円 合計:約57,510円 |
健康保険:約35,000円 国民年金:17,510円 合計:約52,510円 |
表はあくまで目安です。実際の保険料は前年所得や地域で異なるため、市区町村や健康保険組合に確認してください。
✅ 任意継続と国保どっちを選ぶ?判断ポイント
負担額だけでなく、家族構成・所得・扶養者の有無などで総合的に判断することが重要です。不明点があれば加入先の窓口に早めに相談しましょう。

「比較してみると、意外と国保の方が割安なケースも多いんです。早めにシミュレーションして損しない選択をしましょう。」
👉 任意継続や国民健康保険の手続きや節約方法はこちらで詳しく解説しています。
フリーランスの健康保険料を安くする裏ワザ|任意継続・減免申請を徹底解説
健康保険の手続き方法と期限
健康保険の切り替えを決めたら、すぐに手続きを進めましょう。任意継続と国民健康保険では手続き方法や提出書類、期限が異なります。ここを間違えると無保険期間が発生するため注意が必要です。

「退職後の手続きは、早ければ早いほど安心です。特に任意継続は20日以内に申請しないと選べなくなるので注意してください!」
✅ 任意継続の申し込み手順
任意継続を選ぶ場合、退職日の翌日から20日以内に健康保険組合または協会けんぽへ申請が必要です。必要書類は以下の通りです。
- 任意継続被保険者資格取得申請書
- 退職証明書や離職票のコピー
- 保険料納付書(後日送付)
保険料は前納も可能で、銀行振込や口座振替で支払います。支払いを滞納すると資格喪失になるため注意しましょう。
✅ 国民健康保険の加入手順
国民健康保険に加入する場合は、退職日の翌日から14日以内に市区町村役所で手続きを行います。必要書類は次の通りです。
- 健康保険資格喪失証明書(勤務先発行)
- 身分証明書
- 印鑑
- マイナンバー確認書類
加入手続きを完了すると、国民健康保険証が即日または後日郵送で交付されます。
✅ 保険証返却・加入期限に注意
退職後は会社の健康保険証を速やかに返却する必要があります。手元に残したまま医療機関を受診すると不正利用と見なされる可能性があります。また、手続き期限を過ぎると任意継続が選べなくなるため、退職前に必要書類をそろえておくと安心です。

「退職日に会社へ保険証を返却する場合は、受診予定がないか確認してから返すと安心です。手続きを先延ばしにしないようスケジュールを立てて進めましょう。」
国民年金への切り替えと免除制度
退職後は厚生年金から国民年金に切り替える必要があります。収入が減少した場合、免除や猶予の制度を利用することで負担を軽くできます。手続きには期限があるため、早めに準備しましょう。

「退職後の国民年金は、申請を忘れると未納扱いになります。負担が厳しい方は免除や猶予を検討しましょう!」
✅ 国民年金への切り替え手順
退職日の翌日から14日以内に市区町村役所で「資格取得届」を提出し、厚生年金から国民年金へ切り替えます。必要書類は以下の通りです。
- 年金手帳または基礎年金番号通知書
- 離職票や退職証明書
- 身分証明書
- 印鑑
手続き完了後、国民年金の納付書が送られてきます。
✅ 年金保険料の免除・猶予制度とは?
国民年金の保険料は毎月17,510円(2025年度)。所得が一定以下の場合、以下の制度を利用できます。
- 全額免除・一部免除:前年所得に応じて納付額が0円~1/4に軽減
- 納付猶予:50歳未満が対象で、将来納付も可能
免除・猶予期間中も「受給資格期間」にカウントされますが、将来の年金額は減額されます。
✅ 免除申請の手続きと期限
申請は市区町村役所で行います。基本的に毎年7月から翌年6月までが対象期間で、免除は遡って申請も可能です(最大2年前まで)。
- 免除・猶予申請書
- 前年所得の確認書類(課税証明書など)
申請が認められると、納付書の送付が止まり、認定通知が届きます。

「免除や猶予を使った場合も、将来の年金額に影響が出ます。生活が安定したら追納も検討しましょう。」
👉 国民年金の切り替えや免除制度についてさらに詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
保険料・年金負担を抑えるポイント
退職後は収入が減るため、健康保険や国民年金の負担が大きく感じられます。しかし、所得や世帯状況に応じて減免・免除制度を利用すれば、経済的な負担を軽減できます。ここでは活用できる支援を整理します。

「手続きを知らずに満額払い続けるのはもったいないです!条件を満たせば減免や免除を受けられるので、必ず確認しましょう。」
✅ 減免・免除で負担を軽くする
市区町村や健康保険組合には、退職や収入減少に伴う減免制度があります。特に前年所得が大幅に減る場合、保険料の一部または全額が軽減されることもあります。
✅ 所得に応じた保険料シミュレーション
各種制度を利用すると、負担額が大きく変わります。具体的な制度と対象条件を表にまとめました。
制度名 | 対象条件 | 効果・内容 | 申請先 |
---|---|---|---|
国民健康保険料の減免 | 退職・収入減少など | 保険料の一部減額 | 市区町村役所 |
国民年金保険料免除 | 前年所得が一定以下 | 全額・一部免除 | 市区町村役所 |
国民年金保険料猶予 | 50歳未満・所得要件 | 納付を猶予 | 市区町村役所 |
具体的な要件や申請書類は市区町村で異なるため、必ず確認してください。
✅ 知らないと損する制度まとめ
これらの制度は、申請しない限り自動的に適用されません。退職後は忙しいですが、早めに窓口に相談し、必要書類をそろえて手続きすることが大切です。

「減免や免除は「知っているかどうか」で大きく負担が変わります。面倒でも一度は相談するのがおすすめです。」
👉 退職後の資金計画や生活費の管理についてはこちらも参考にしてください。
退職後1年の資金計画シミュレーション|生活費・税金・給付金をまるごと整理
よくある質問Q&A
ここでは、退職後の健康保険・年金について特に多い質問をまとめました。迷ったときは一つずつ確認していきましょう。
✅ 任意継続はいつまで使える?
任意継続は最長2年間利用できます。ただし、保険料を滞納すると資格を失いますので注意してください。2年経過後は国民健康保険に切り替えが必要です。

「2年で自動終了するため、終了後の手続きも計画しておきましょう!」
✅ 免除申請はいつから適用?
免除や猶予の申請は原則として申請月以降が対象です。遡って最大2年分まで申請できますが、早めの手続きをおすすめします。
✅ 再就職したらどうなる?
再就職して社会保険に加入した場合、任意継続や国民健康保険・国民年金は自動的に資格喪失します。退職・再就職のたびに保険証の返却と新しい加入が必要です。
✅ 国保と任意継続、どっちが安い?
収入や家族構成により変わりますが、前年の収入が高い場合は任意継続が安くなることが多いです。逆に収入が減る場合は国保の減免を受けられるため、国保の方が有利になるケースもあります。

「どちらが安いかは人によって異なります。必ず試算して比較してみましょう。」
✅ 保険料の支払いが厳しい場合はどうする?
国民健康保険の減免申請や、国民年金の免除・猶予制度を活用できます。事情がある場合は支払いを止めずに、まず窓口へ相談することが大切です。

「支払いが難しいまま放置すると、保険証が使えなくなることもあります。早めに相談を!」
✅ 扶養家族はどうなる?
扶養家族も任意継続または国民健康保険に一緒に加入します。手続きの際に被扶養者分も届け出が必要です。国保の場合、人数が多いほど保険料も上がります。
✅ 退職後すぐに病院にかかる場合は?
新しい保険証が届くまでの間も、医療費は一時立替で受診できます。保険証交付後に申請すると自己負担分を除いた額が払い戻されます。
まとめと今後のステップ
退職後の健康保険や国民年金は手続き期限や負担額が大きく、迷いや不安を感じる方が多い分野です。しかし、スケジュールを整理し制度を理解すれば、必要以上に焦ることなく進められます。

「手続きを後回しにすると、無保険や未納になり損をすることもあります。まずは1つずつ着実に進めましょう。」
✅ 今日からできるステップ
- 退職日と各手続きの期限を確認する
- 任意継続か国保かを試算し比較する
- 年金免除・猶予制度を市区町村に相談する
不安な場合は、自治体や健康保険組合に遠慮なく相談し、必要な書類を一括でそろえるとスムーズです。

「1つでも行動に移せば、きっと気持ちが軽くなります。わからないことは一緒に確認していきましょう!」
👉 退職後の手続き全般や資金計画の立て方はこちらも参考にしてください。